第44回 全国消防救助技術大会 神戸
全国の地区大会を突破した、約1,000名の救助隊員が神戸に集結
平成27年8月29日(土)、最高気温約30度、湿度約60%で曇り空というコンディションの中、1995年の阪神・淡路大震災から20年が経過した兵庫県神戸市において第44回全国消防救助技術大会(以下全国救助大会)が開催されました。
全国47都道府県の地区大会を突破した精鋭達が一同に集結し、神戸学院大学ポートアイランドキャンパスにて陸上の部が、そして神戸市立ポートアイランドスポーツセンターにおいて水上の部が行われ、頂点を目指しその卓越した消防技術を競いあいました。
大会のスローガンは「~新たなステージへ~」。このスローガンは、神戸市が震災のことを「決して忘れず」、様々な取組みを行い復興への「歩みを進め」てきた。そして復興から「新たなステージへ」向けて進みだしていることを表現しており、震災を経験した神戸市から大会に参加する全国の消防関係者、市民・来場者の方へその思いが伝わるよう考えられました。その大会スローガンのもと開催される全国救助大会とは、救助技術の高度化に必要な基本的要素を練磨することを通じて、消防救助活動に不可欠な体力、精神力、技術力を養うとともに、競い、学ぶことを通じて、他の模範となる消防救助隊員を育成し、消防に寄せる期待に力強くこたえることを目指し毎年開催されています
安全確実性と所要時間を競いあう
全国救助大会で行う訓練は、陸上の部と水上の部に分かれており、それぞれの部に隊員ひとりひとりが基本的な技能を練磨する「基礎訓練」と、隊員個人の技能とともに隊員間の連携を練磨する「連携訓練」、さらに使用する器材や訓練要領等を定めず出場隊員の創意工夫のもと訓練想定から救助方法までを披露する「技術訓練」があります。
陸上の部は7種目あります。ロープ渡過の基本的訓練の「ロープブリッジ渡過(基礎訓練)」、ビルや地下街などで煙に巻かれた人を救出するための訓練の「ほふく救出(連携訓練)」、建物や河川の中州などに取り残された要救助者を隣の建物等から進入し救出することを想定した「ロープブリッジ救出(連携訓練)」、地下やマンホール等での災害を想定した「引揚救助(連携訓練)」、災害現場の様々な障害を想定した「障害突破(連携訓練)」、災害建物への進入など消防活動には欠かせない訓練の「はしご登はん(基礎訓練)」、器材を使わずに登はんする訓練の「ロープ応用登はん(基礎訓練)」があります。
また水上の部7種目には、水難救助の基本的な泳法を習得するための「基本泳法(基礎訓練)」、水中の行方不明者の捜索を想定した「複合検索(基礎訓練)」、溺者を搬送する「溺者搬送(連携訓練)」、数人の要救助者の救出を想定した「人命救助(連携訓練)」、水中におけるロープの結束技術を習得するための訓練「水中結束(連携)」、浮輪にて要救助者を確保する「溺者救助(連携訓練)」、水中で溺れている要救助者を水面へ引揚げ救助する「水中結束救助(連携訓練)」があります。
日々積み重ねてきた訓練の成果を存分に発揮
日頃の救助訓練や自身の体力練磨に加え、毎年開催されるこの救助大会に向け、日々トレーニングに勤しむ隊員たち。個々の訓練成果と仲間との連携が結びつき、強い絆で結ばれた隊員たちが結集しその力を発揮します。