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航空自衛隊 航空救難団 

航空自衛隊の中の航空総隊に隷属し、自衛隊機の墜落事故などが発生した際、 その機体・乗員の捜索、救助活動を主たる任務とする一方、救助要請(災害派遣要請)にも対応し直ちに活動を開始する『航空自衛隊航空救難団』。
その救難錬度の高さから「最後の砦」と形容される。

 
航空自衛隊 航空救難団 那覇ヘリコプター空輸隊

航空自衛隊 航空救難団 那覇ヘリコプター空輸隊   

航空自衛隊 航空救難団 那覇ヘリコプター空輸隊

2012年2月に救難教育隊の取材からスタートした「出動せよ!救難」。
航空救難団の10個の救難隊、4個のヘリコプター空輸隊、整備群、救難教育隊の 計16個の部隊を訪問しながら
航空救難団の任務や活動、部隊の特色、装備品や資器材、 隊員の思いなどを紹介していく企画であり、
この那覇ヘリコプター空輸隊が最後の16回目の取材となる。

最終回の本稿では、美しい沖縄の洋上をダイナミックに飛行し、
輸送任務に励む那覇ヘリコプター空輸隊を紹介する。 

航空自衛隊 航空救難団 那覇ヘリコプター空輸隊

航空救難団より提供画像

那ヘリの任務

 通称「那ヘリ」と呼ばれている那覇ヘリコプター空輸隊のな任務は、宮古島や久米島などに所在する部隊への人員物資輸送や離島からの被災住民等空輸、被災地への救援物資輸送、山火事等の空中消火などの災害派遣等である。その他には離島から島民を避難させる県と合同での防災訓練や、県警隊員を輸送する訓練なども行っている。周辺には高い山もなく、飛行するのは洋上がほとんどなので比較的低い高度を飛ぶことが多い。そのため真っ青なサンゴ礁や、時には海ガメが泳いでいる姿などを肉眼で見ることができるという。沖縄の海の上での任務と聞くと羨ましい限りだが、実際に勤務する隊員にとっては、沖縄特有の蒸し暑さや塩害に対する備えなど、当然ながら良いことばかりではない。特にCH-47Jのキャビンの中は想像以上の暑さのようで、対策と言えば窓を少し開放して風を取り込むことぐらいしかできない。あとは日頃の鍛錬のみである。そのため隊員達は毎日肉体トレーニングを欠かさない。

航空自衛隊 航空救難団 那覇ヘリコプター空輸隊

取材に応じてくださった、(左から)宮里3佐、ロードマスターの塚本准尉、整備員の古薗2曹

 パイロットの宮里3佐は地元出身。車や人の動きが操縦席から見えるところがヘリコプターの醍醐味だと言う。
 ロードマスターの塚本准尉は、「訓練がいつも実践。後輩達には、慣れてしまってはだめで、常に危険と隣合わせであるということを伝えていきたい。」と熱く語る。
 整備員の古薗2曹は兄が海上自衛官。家族が兄弟を誇りに思ってくれていることが嬉しいと語る。

ロードマスターの役割

 空中輸送に欠かせないのが、ロードマスター(空中輸送員)と呼ばれる職種の隊員達の働きである。ロードマスターの役割は多岐にわたり、非常に献身的な業務が多い。
 出発前の輸送計画の確認や搭載物の重量重心の算出から始まり、自らフォークリフトを運転して貨物の積み下ろし作業を行うこともある。また乗客に対して搭乗前のブリーフィングを行い、飛行中は貨物や乗客の安全確保に努める。災害現場への派遣ともなれば要救助者の機内への誘導やつり上げる場合のホイスト操作も行う。揺れる機体の中から身を乗り出し片手で自身の体を支えながら、もう片方の手でホイストを操作するコントロールグリップをたくみに操作する姿はまさに職人技のようである。
 機体を動かすパイロットの腕はもちろんのこと、このようにロードマスターの献身的な働きがあり、さらに様々な整備員、補給員、飛行管理員、総括班員など多くの職種の隊員達がそれぞれの持ち場を守ることで部隊の力は発揮されているのだ。
 整備員の古薗2曹は「人命や国を守っている機体を自分の手で整備できることに大きな使命感を感じています。」と語ってくれた。ダイナミックな飛行で一度に多くのものを運べるヘリコプター空輸隊、その任務を支えているのはこのような隊員達のひたむきな働きなのだと感じた。

航空自衛隊 航空救難団 那覇ヘリコプター空輸隊

ロードマスターによるホイスト操作、任務中は身を乗り出して肉眼で確認することも多い
(CH-47Jキャビン内から撮影)

航空自衛隊 航空救難団 那覇ヘリコプター空輸隊航空自衛隊 航空救難団 那覇ヘリコプター空輸隊

取材中も熱心な整備が続けられていた

航空自衛隊 航空救難団 那覇ヘリコプター空輸隊の皆さま、取材へのご協力ありがとうございました。

航空自衛隊 航空救難団 那覇ヘリコプター空輸隊

~全ての取材を終えて~

これまで約10年にわたり航空救難団のたくさんの隊員達の生の声を聞くことができた。
お会いした隊員達は皆、志が高く、常に前を向いて任務を全うしようと創意工夫に励んでいた。
彼らのその真摯な姿に触れる度に、私自身、襟を正さずにはいられない思いだった。
“That others may live(他を生かすために)”これが航空救難団の不変のモットーである。
振り返れば、この短いフレーズの中に込められたたくさんの想いを私は受けとらせてもらっていたのだと改めて感じた。

 
 
 
 
 
 
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