自衛隊 航空 救難団 救難隊 航空自衛隊の中の航空総隊に隷属し、自衛隊機の墜落事故などが発生した際、
その機体・乗員の捜索、救助活動を主たる任務とする一方、
救助要請(災害派遣要請)にも対応し直ちに活動を開始する『航空自衛隊航空救難団』。
その救難錬度の高さから「最後の砦」と形容される。

航空自衛隊 航空救難団 入間ヘリコプター空輸隊


自衛隊 航空 救難団 救難隊 入間ヘリコプター空輸隊 

首都圏を中心に太平洋側は宮城県から和歌山県まで、日本海側は新潟県から兵庫県までと広大なエリアでの
空中輸送業務を主任務とする入間ヘリコプター空輸隊。
同隊が所在する入間基地は埼玉県南部の狭山市と入間市にまたがって位置し、東京都心に近いということもあり、
メディア関係の取材なども多く地方の基地には少ない中央ならではの任務が多いのも特徴のひとつだ。
入間基地で空中輸送業務を担う入間ヘリコプター空輸隊について、
CH−47Jパイロットの赤木1尉、ロードマスター(空中輸送員)の広沢1曹に話を聞いた。
自衛隊 航空 救難団 救難隊 入間ヘリコプター空輸隊

エプロンで出動を待つCH−47J




半世紀以上も活躍し続ける優秀な機体
ヘリコプター空輸隊の主要装備品である大型輸送用ヘリコプターCH−47Jは、1962年に米陸軍で初めて採用され※(米陸軍で採用されたのはCH−47Aというタイプ)、半世紀以上が経過した現在でもわが国の自衛隊だけではなく多くの国々で運用され続けている。この間エンジン換装や燃料タンク増設、その他様々な改良が加えられ今に至っている。現在航空自衛隊に配備されているのはLR型と呼ばれるタイプで、既に用途廃止となった在来型の2倍の航続距離を有する。また、一部の機体はエンジンが換装されエンジンの排気効率の向上、左右エンジン出力の同調の自動化、高々度、高温度環境下でのエンジン出力の向上など航空機が持つ性能を存分に発揮できるように改善されているため、パイロットの負担が軽減され、より精密な操縦に力を注ぐことができるようになった。


自衛隊 航空 救難団 救難隊 入間ヘリコプター空輸隊

輸送貨物は全て後方のスロープから搬入する

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機体について詳しく説明してくれるパイロットの赤木1尉





輸送機なのに旅客機のような前向きシート
自衛隊 航空 救難団 救難隊 入間ヘリコプター空輸隊

機内の設備は目をつぶっても説明できるほど大ベテランの広沢1曹

自衛隊 航空 救難団 救難隊 入間ヘリコプター空輸隊

普段は器材庫に保管してあるVIP用の前向きシート


ヘリコプター空輸隊の主要な任務といえば、基地間の人員・物資の輸送であるが、都心の中央省庁から近いという場所柄ここでは政府要人などVIPの輸送を行うことも多い。CH−47Jで人員を輸送する際、通常はカーゴトラックのように横向きで向かい合わせに着座するのが一般的だが、大臣など要人を乗せる場合には専用の前向きシートを装着し旅客機のように着座する。CH‐47Jにはちょっと不釣合いなこの前向きシートは、実は戦後初の国産旅客機として有名なYS‐11が退役した際に取り外し、改良を加えたという装備品だ。
その他、基地間の輸送以外の任務としては、急患空輸や山林火災の消火活動等の災害派遣などが主であるが、今年の大型連休明け5月8日に岩手県釜石市で発生した大規模な山林火災においても、三沢ヘリコプター空輸隊の応援として出動した。この火災は鎮圧まで1週間、完全な鎮火まで2週間と長期間にわたり、空輸隊の活動も1日約40回を越える空中消火を6日間にわたって実施した。
このように様々な場面でその性能を発揮するCH−47J。それを操るパイロット、ロードマスターの職に就く二人に仕事の魅力などについて聞いた。


自衛隊 航空 救難団 救難隊 入間ヘリコプター空輸隊
山林火災の消火などに使用する消火バケット





人々のドラマを運ぶ、輸送という仕事
●この仕事を続けていて良かったと思うことや任務で気をつけていることは?
赤木1尉
「ヘリコプターの良いところは、戦闘機のように高高度を飛行するのではなく、より地上に近いところを飛ぶので、地上の営みがリアルに感じられるところです。それと、やはり操縦席から見える景色は格別で、これがヘリの操縦士に与えられた特権だと思っています。特に入間は都心に近いので夜景は本当に綺麗で、他に変えられない喜びです。 気をつけていることは、市街地の上を飛行することが多いので、万が一緊急事態が発生した場合に備え、安全に着陸できるグラウンドや広場を常に意識しながら飛行しています。」
広沢1曹
「良かったことは、航空自衛隊の中でも航空機に搭乗できる数少ない職種で、花形である空中輸送員という職種に就くことができ28年間事故もなく任務を続けられていることです。任務で気をつけていることは、固定翼機と違ってヘリは飛行場ではないところにも降りますので、そのような不整地に降りる時は、自分の安全も確保しながら機体のドアから身を乗り出し、接地場所に飛散物や障害物がないかしっかりと確認し誘導しなければなりません。自分がパイロットの目となるような気持ちでおこなっています。」


最後に赤木1尉が輸送という仕事について話してくれたので紹介したい。

「人や物を運ぶことでそこから新しい活動が始まる。それは輸送手段が違ってもそれぞれに共通していることだと思う。人々の日常を運ぶ通勤電車、宅急便を運ぶ貨物トラック、産業に必要な物資を運ぶ船舶。物が移動した先では様々なドラマが生まれていく。だから私たちヘリコプター空輸隊員はただ単に人や物を運ぶのではなく、それぞれのドラマを運んでいると思うとより一層やりがいを感じます。」
自衛隊 航空 救難団 救難隊 入間ヘリコプター空輸隊

今回取材に応じてくれた赤木1尉と広沢1曹

航空自衛隊 航空救難団 入間ヘリコプター空輸隊の皆さま、取材へのご協力ありがとうございました。