TOPページ > 消防・警察レポート > 第4回緊急消防援助隊全国合同訓練










2010年6月4日(金)・5日(土)、愛知県知多市に於いて第4回緊急消防援助隊合同訓練が実施された。今回集結した緊急消防援助隊とは、平成7年の阪神・淡路大震災での教訓を踏まえ、地震などの大規模災害における迅速な人命救助活動を実施するために、平成7年6月に創設された、消防庁長官をトップとする全国47都道府県隊で組織された国家レベルの部隊である。この緊急消防援助隊が、全国から集結し大規模災害を想定した訓練を行うのが、今回実施された「緊急消防援助隊合同訓練」である。この訓練は今年で4回目を迎え、全国的な規模で緊急消防援助隊が出動する大規模地震等を想定し、全国の緊急消防援助隊の技術や指揮・連携活動の向上を図ることを目的して、平成7年から5年に一度の頻度で実施されている。

今回の訓練は、愛知県に震度7の地震が発生したことを想定し実施された。地震発生から愛知県知事が緊急消防援助隊の出動を要請、消防庁長官の出動指示により、各地緊急消防援助隊が被災地へ行き、各種災害現場において消火・救助・救急活動を展開するとともに各関係機関と連携し総合的な部隊訓練を実施するという、本番さながらの訓練だ。

全国各地に拠点を置く緊急消防援助隊が一同に集結し、合同で訓練を行う様子が見られるのはこの時しかない。全国から約2100人の隊員らが集結。消防車両は約400台に達した。 その様子は圧巻そのもので、車両のマークやステッカーのデザインに各地の特徴が反映されていた。



4日(金)夕方、各地から集結した部隊はテントを設営し、野営訓練の準備にとりかかった。

野営場所には各地域の色とりどりのテントがびっしりと並んでいた。テントの中をのぞくと睡眠のための簡易ベッドやマット、シュラフがきちんと並べられており、テントの外では食事の準備がされていた。災害時、物流が切断されたことを想定し、メニューはレトルトやカップラーメンが多かった。

夕方になると野営会場があらたまった雰囲気になった。消防庁長官激励巡視がはじまったのだ。隊員たちは整列し、ひとつひとつのテントをまわり激励する長官に対し、あらためて表情を引き締めた。



5日(土)朝は快晴だった。雨などの悪天候も大変だが、快晴の場合は暑さ対策に気をくばらねばならない。会場には消防車両や隊員が続々と集結したが、それに混じり見物客も集まってきた。見学に訪れた親子連れは普段見ることのできない各地の消防車両を前に記念撮影をしていた。迫真の訓練とは裏腹に平和な空気が流れていた。

メイン会場には大型スクリーンが設置され、訓練風景が映しだされた。サイレンを鳴らしながら消防車や救急車が次々と登場。

まずは先行調査情報収集訓練が開始。指揮隊による部隊の統制指揮など、情報収集をおこない全体の救助活動の指揮をとる。次に消防応援活動調整本部運営訓練の開始。緊急消防援助隊の活動指揮および管理をはじめ後方支援などにあたる。そして指揮支援本部運営訓練が開始。被災した各担当市に部隊配備された緊急消防援助隊の活動指揮および管理などをおこなう。指揮運営部隊が整ったところで、実際の救助訓練が開始された。

木造家屋倒壊事故現場救出訓練、危険物火災対応訓練、トンネル崩壊事故救出訓練など13通りの災害を想定し訓練が実施される。



ビル倒壊事故救出訓練では、ビルの北側で車が倒壊したビルの下敷きになり、その車のなかから被災者を救出する訓練がおこなわれていた。指揮支援隊と連携をとりながら、部隊の隊長がメガホンを持ち各隊員に細かな指示をおくる。隊員たちは状況を報告しながら救助訓練にとりかかる。今回の訓練はブラインド方式が採用され、隊員たちは被災者が何人いるのかなど情報を前もって知らされていない。本番さながらの救助が行われる。目の前の瓦礫を取り除き、小型カメラなどで中の様子を確認する。狭い入り口から倒壊したビルの中へと進入する。一方ビルの南側にも車両が突っ込み、車中の被災者を救出している。「大丈夫ですか?」などと大声でしかも安心できるような声を被災者にかける。まもなく無事ひとりの女性が救出された。その後も続々と被災者が救出され、救急車も忙しくサイレンを鳴らしながら走る。













橋梁倒壊事故救出訓練では、高さ20m程の高速道路が寸断され、孤立した被災車両が横転している。中に閉じ込められた被災者がいる。そこへ上空からローターを大きくならしながらヘリコプターが飛んできた。あらわれたかと思うと、まもなくホバリング態勢に入りホイストに固定された隊員が降下してくる。素早く車両から被災者を救出するやいなやスリングを被災者に装着し、また自身もホイストに連結し手際よく抱え込み、上空のヘリへ合図をおくる。ダウンウォッシュにより大きく左右に振られながらも、被災者に負担がかからないよう慎重にホイストが巻き上げられる。ここでも迅速かつ丁寧に被災者が救助された。

ビル倒壊事故救出訓練現場には、ビル屋上上空にドクターヘリがホバリングしている。はしごやロープを駆使して上層階へ到達し救助した被災者はこのドクターヘリによって医療機関へ運ばれる。こうして13箇所の各種事故救出訓練の現場では各機関と連携をとりながら次々と救助活動が繰り広げられた。





午前11時30分。こうして全ての訓練が終了した。炎天下の中、隊員自身の健康管理も気づかいながら事故もなく無事2日間にわたる訓練が終了したのだ。

最後に終了式が執り行われるため、訓練にあたっていた隊員達はみな整列した。

指揮支援隊長が消防庁長官に訓練終了報告がなされた後、消防庁長官の訓示、そして愛知県知事挨拶、全国消防長会会長挨拶と続き、最後に国旗が降納されすべてが終了した。