TOPページ > 消防・警察レポート > 2009年全国救助大会(第38回全国消防救助技術大会)



























 去る2009年8月20日(木)。灼熱の太陽が照りつける中、横浜市消防訓練センターにおいて第38回全国救助大会こと「第38回全国消防救助技術大会」が執り行われた。この大会は昭和47年から毎年開催している。

 全国救助大会は、救助技術の高度化にとって必要な基本的要素を練磨することを通じて、消防救助活動に必要不可欠な体力・精神力・技術力を養うとともに、全国の消防救助隊員が一同に結集し、競い、学ぶことを通じて、他の模範となる消防救助隊員を育成し、全国市民の消防に寄せる期待に力強く応えることを目的としている。

 また、全国救助大会を通じて広く全国の市民に、消防の技術の高さ、力強さ、優しさをアピールすることも目標とされている。そのためか、会場には沢山の一般市民が来場し、大会を盛り上げていた。


 会場を入ってすぐに、横浜市消防局特別高度救助隊のSR車群が来場者を出迎えた。SR車を見られることは大変珍しく、中を見学することもできる。

 たくさんの一般市民が訪れ盛り上がってきたところで、いよいよ開会式が始まった。全国から選ばれし精鋭たち!!その雄姿は百戦錬磨の戦いをくぐりぬけてきた誇りそのものであった。真夏の太陽が照りつける中、額に汗を光らせ、微動だにひとつせずに立ち尽す姿に、日頃の厳しい訓練を垣間見ることができた。



 開会式も後半に入ったところでオープニングセレモニーが始まった。最初にSR車がハーザードを点滅させながら登場し、全車両が揃ったところで、SR部隊の隊員達が現れた。号令とともに整列した中に、ドラマ「RESCUE」でお馴染みの石黒賢さんの姿もあった。



 インタビューも終わりSR部隊への号令とともに隊員たちが散ったあと、右手の建物から白い煙が上がった。本番さながらのSR部隊による技術訓練の開始である。白い煙の向こうからプロペラ音とともにSR部隊のヘリコプターがその姿を現した。



 次の瞬間ヘリコプターから隊員が降下してきた。建物から火の手があがり、要救助者を救助するという設定である。素早く降下した隊員は屋上に避難した要救助者を後方より現れたもう一機のヘリコプターから降ろされたロープに固定し、引き上げた事を確認したのち、ロープにて脱出した。

 役目を終えたヘリコプターは、観客の反応に答えるように低空飛行しながら姿を消した。



 容赦なく照りつける太陽のもと、隊員たちのモチベーションは頂点に達しているようだった。

 技術訓練とは、災害の煩雑多様化に伴う救助活動の高度化に対応することを目的として実施する訓練である。陸上訓練と水上訓練の大きく2種類にわけられる。陸上訓練では、訓練を実施する消防本部に基本的な災害想定が与えられ、この想定を元に救助資機材を効果的に活用したより迅速・的確な救助技術を披露するので、各消防本部でどのような資機材を活用し、どのような技術を駆使して人命救助を行うのかを目の当たりにすることができる。

 陸上訓練の内容は「ほふく救出」「ロープブリッジ渡過」「はしご登はん」「引揚救助」「ロープブリッジ救出」「ロープ応用登はん」「障害突破」の7種目からなる。 水上訓練の内容は「複合検索」「基本泳法」「溺者搬送」「人命救助」「水中検索」「溺者救助」「水中検索救助」の7種目から構成される。

 消防士たちの超人的なスピード・技術・体力に、圧倒された。
 その様子をカメラに収めたので、ぜひ見てほしい。





 過酷な技術訓練を終えた消防士たちの顔には、緊張が解きほぐれた安堵感とともにまだ残る緊張感が漂っていた。仲間たちと喜びを分かち合う顔、満足感に満ち溢れた顔、家族たちと喜びを共有する顔・・・技術訓練の舞台を降りた消防士たちの顔にはドラマがあった。






 午後3時になり訓練の全種目が終了した。会場にはたくさんの一般来場者とともに、満足感に満ち溢れた消防士たちの姿が見えはじめた。リラックスした雰囲気の中に、日頃の過酷な任務を経験した者にしかあらわれない、逞しさの中の優しげな表情があふれた。

 そのような中、横浜市消防音楽隊「ポートエンジェルス119」による特別演技が披露された。






 ポートエンジェルス119の一糸乱れぬ演技が終了し、閉会式がはじまった。
開会式の緊張感とはまた違った、充足感のようなものが表情にあふれていた。8月の太陽は容赦なく消防士たちの頭上へ降り注いだ。

 来年もまたこの全国消防救助技術大会は開催される・・・来年は京都だ! その雄姿を追い、私たちは来年もまたこの現場へ駆けつける!!


〜第38回 全国消防救助技術大会レポート・了〜
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