TOPページ > 消防・警察レポート > 2009年救助大会関東予選(第38回消防救助技術関東大会地区指導会)


















去る2009年7月23日(木)横浜市消防訓練センターにおいて第38回救助大会関東予選こと「第38回消防救助技術関東大会地区指導会」が執り行われた。会場を入るとまずは、SR特殊車両8台の登場に驚いた。

これだけの車両を一同に見られることは大変珍しく、中には車両内部を見学できるものもあった。たくさんの子供たちがその勇姿にむらがり写真をとっている光景はほほえましいものがあった。
灼熱の太陽が照りつける中、選ばれし消防士たちが一同に結集したその光景は圧巻のひとこと。暑さをものともせずに立ちつくす姿は、これからはじまる競技への集中力そのものであった。



消防士たちが控え所へ戻った後、SR特別演技が行われた。
まず会場に現れたのはSR特殊車両群!


SR特殊車両8台が集合すると会場はその臨場感につつまれた。SRとはスーパーレンジャーの略で横浜市消防特別部隊である。そのSR部隊が使用する特殊車両が、このSR特殊車両群である。最新鋭技術を搭載した車両群はハーザードを点滅させ、その存在をアピールしていた。
続いて現れたのは、空からの救助隊エアレスキューである。ヘリコプターのプロペラ音に会場内は包まれ会場に訪れた人々は皆、空のヘリコプターに注目した。

空からAR部隊がロープをつたって降下しはじめた。4階建物の屋上に要救助者が避難しているという設定である。
屋上に避難していた要救助者は頭上のヘリコプターに無事救助された、救助隊員はロープつたいに脱出した。本番さながらの演技を披露し、AR部隊は空の彼方へその勇姿を消した。



SR特別演技が終了して間もなく、技術訓練が開始された。
技術訓練とは災害の煩雑多様化に伴う救助技術の高度化に対応することを目的として実施する訓練である。陸上訓練では、訓練を実施する消防本部に基本的な災害想定が与えられ、この想定を元に救助資機材を効果的に活用したより迅速・的確な救助技術が披露されるので、各消防本部でどのような資機材を活用し、どのような技術を駆使して人命救助を行うのか、その様子を目の当たりにすることができる。

その技術訓練は・引揚訓練・ロープブリッジ救出・障害突破の3種目から構成される。 まずはじめに開始されたのが、「引揚訓練」である。五人一組(要救助者を含む)で2人が空気呼吸器を装着して塔上から塔下へ降下し、検索後、要救助者を塔下へ搬送し4人で協力して塔上へ救出した後、ロープ登はんにより脱出する。地下やマンホール等での災害を想定した訓練で、災害発生現場において有毒ガスの発生や酸欠等の状況が想定されるので、空気呼吸器を装着して進入する。

五人一組になって互いに協力し声をかけあいながら、引揚訓練は行われた。開会式には照り付けていた太陽も幾分やわらぎはしたものの、その暑さはまだまだ厳しく隊員の額を汗がしたたり落ちていた。そんな環境の中ロープを駆使した引揚訓練はつぎつぎと行われ、応援団や隊員の家族の声が会場に響いた。

続いて行われたのが「ロープブリッジ救出」である。四人一組(要救助者含む)で、2人が水平に展張りされた渡過ロープ(20メートル)により対面する塔上へ進入し、要救助者を救出ロープに吊り下げてけん引して救出した後、脱出する。建物や河川の中洲などに取り残された要救助者を隣の建物や対岸などから進入して救出することを想定した訓練である。

ロープブリッジ救出はその素早さに度肝をぬかれた。20メートルの距離をスルスルとスピーディーに渡る姿に、力強さとともに迅速さが要求される救助の現場を改めて痛感した。

そして午後から行われたのが最後の種目、「障害突破」である。五人一組(補助者を含む)で、4人が緊密な連携の下、一致協力して「乗り越える」「登る」「渡る」「降りる」「濃煙を通過する」の基本動作により5つの障害を突破する。
災害現場の様々な障害を想定し、いかなる状況下においても、体力的・精神的に屈することなく対応することを目指した訓練である。

様々な資機材を設置する段階から入念な計算がされているようで、酸素ボンベなどは正確に設置され、四人の隊員が整列し号令をかけたところで訓練ははじまった。
全速力で現場までかけつけ、高さ3m〜4mほどの壁を協力しあいながら登り、塔上では対面へロープをかけ素早く渡り、降下した後酸素ボンベを装着する。コの字型の濃煙を想定したトンネルをくぐりぬけその中で救助し、ロープを撤収する作業も素早く行われる。その一連の動作に無駄はなく、俊敏かつ正確さが要求される救助現場さながらの訓練であった。

午後1時30分を過ぎた頃から雨が降ってきた。一時訓練は中断したもののすぐに再開され雨が激しくうちつける中、訓練は行われた。

激しい雨がうちつけても、消防士たちの機敏な行動に乱れはなく、あらためて日頃の過酷な訓練を想起させた。

間もなく、障害突破は終了し、横浜SRによる技術訓練が披露され、閉会式が行われた。
閉会式でも、雨は容赦なく隊員たちをうちつけたが、その隊列は乱れることがなかった。

〜第38回救助大会関東予選レポート・了〜
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